TMクリニック 西新宿 皮フ科・内科

TEL 03-3364-5220
【月・水】 11:00 - 15:00 【木・金】 11:00 - 15:00 / 16:30 - 19:00 ※最終受付は診察終了の30分前までです。

院長コラム

2018.05.08

皮膚科医が教えるニキビに対するピーリングの効果ーサリチル酸、グリコール酸を中心に解説ー

こんにちは。TMクリニック西新宿院長のおかだりかです。
ピーリングは、ニキビだけではなく「しみ・くすみ・しわ」に対するアンチエイジング効果もあります。ピーリングは、皮膚の表面をはく離し、皮膚が再生する過程での効果を期待して、さまざまな疾患に使われています。クリニックでしか施行できないピーリング、市販されているピーリング石鹸など、ピーリング関連の情報はあふれています。ここでは皮膚科専門医が、ピーリングについての正しい知識を解説していきます。ピーリングは、しっかりとした知識を持ち適切な方法で行えば、安全で効果的な治療方法なのです。

ピーリングがニキビに効果がある理由

ピーリングはニキビの治療に有効であり、TMクリニックでも繰り返すニキビの方、重症なニキビの方にはおすすめしています。それでは、ピーリングはどのような機序でニキビに効果を発揮するのでしょうか。

ピーリングとは、英語では「Peeling」と書きます。「Peel(ピール)」とは、本来「皮をむく」という意味です。つまり簡単にピーリングを説明すると、「薬を塗ることで、皮膚の皮を一枚むく」ということになります。1枚むかれた皮膚は、再生しようとします。その再生する(傷を治す)効果や、皮膚がむけることで毛穴の詰まりがなくなり、皮脂の排出が促進されるので、ニキビが改善すると考えられています。

ニキビは、次の3つの過程で生じます。
1)毛穴が詰まる

詰まった毛穴は、「面皰(めんぽう)」と呼ばれます。白や黄色のぶつぶつした皮疹となり、「白ニキビ」と呼ばれます。
2)皮脂が貯まる

詰まった毛穴の中に、皮脂が貯まります。
3)細菌が感染する

最後に、アクネ菌などの細菌が感染します。細菌が感染したニキビは、赤く痛みを伴うことがあり「赤ニキビ」と呼ばれます。

ニキビの詳細は、こちらを参照ください。

ピーリングは、毛穴が詰まった状態の「白ニキビ」にも炎症を伴っている「赤ニキビ」にも効果があると言われています。皮膚の再生の過程で、毛穴の詰まりを改善させ、皮脂の排出を促進することによって、「白ニキビ」を改善させ、結果的に「赤ニキビ」にも効果を発揮すると考えられています。細菌に対する効果は乏しいため、赤ニキビの治療には抗生剤治療と併用することもあります。

ピーリングは、「白ニキビ」「赤ニキビ」ともに有効ですが、現状では保険診療ではなく自費診療になります。金額や使っている薬は、クリニックによって異なります。残念ながら、クリニックによっては効果が乏しい薬剤を用いていたり、高い金額設定にしているところもあります。金額、薬剤名、どのような医師が治療を行うかなど、事前にしっかりと確認する必要があります。また、通常の保険診療の範囲でも、ピーリング効果のある塗り薬は処方できます。よって、まずは保険診療での治療が優先されることは、言うまでもありません。

ニキビ治療な有効なピーリング剤

現状、日本のクリニックや病院で使用しているピーリング剤は、主に「グリコール酸」と「サリチル酸」の2種類です。TMクリニックでは、刺激が少ないサリチル酸グリコールを採用しています。ここでは、この2種類のピーリング剤について説明していきます。

①サリチル酸

サリチル酸は、サリチル酸エタノールまたはサリチル酸マクロゴールとして使用されています。サリチル酸エタノールは、脂腺から血液中に吸収されることがあるため、サリチル酸マクロゴールとして使用されることが多いです。サリチル酸は、濃度により効果が異なります。0.5-3%の濃度であれば、その効果はマイルドです。1-5%程度になると、角質をはく離する作用を発揮します。市販されているスキンケア用品には、0.2%までしか配合できません。当クリニックを含む多くの医療期間では、30%のサリチル酸マクロゴールを使用しています。市販品に比べると150倍の濃度になり、強力な作用であることがわかるでしょう。下記で説明するグリコール酸よりは、肌への刺激は少ないと言われていますが、肌が敏感な方は刺激的に感じることもあります。多くの方(7-8割)は、刺激を感じない印象です。

サリチル酸グリコールでのピーリングの頻度は、肌のターンオーバーを考えると1ヶ月に1回程度が推奨されます。しかし、2週間ごとに計6回治療を行い、ニキビが改善した、という報告もあり、施行する頻度については、各々の肌やニキビの重症度に合わせて考えていきましょう。

②グリコール酸

グリコール酸は、濃度だけではなくpHによっても効果が大きく異なります。pH(ピーエイチ)とは、酸性・アルカリ性の度合いを数字で表すもので、 pH7を中性とし、7未満を酸性、7より大きいとアルカリ性を示します。顔に使用する場合、pH3以上で濃度が10%以下であれば、皮膚炎への反応性はみられないとの報告があります。30% 以上の濃度、低 pH (2 以下:酸性が強くなる)では皮膚への反応(浮腫やびらん,かさぶたなど)が生じる可能性が高くなります。
グリコール酸は、その濃度やpHによってピーリング効果が異なり、肌の状態に合わせて濃度やpHを選択する必要があります。医療期間では、濃度は10~70%、pHは2~0.5程度まで患者さんに合わせてグリコール酸が用意されているところがあります。高い効果を得たいからといって、最初から高い濃度の薬剤を使用すると、皮膚炎を起こすことがありますので、施行する時は、医師としっかり相談するようにしましょう。また、海外からグリコール酸を個人輸入して使用することは、リスクが高いためおすすめできません。
ニキビに対する効果としては、グリコール酸(40%、pH2.0)を用いて、2週間ごとに計5回ピーリングを行ったところ、改善効果を得たとする報告があります。

まとめ

ここでは、ニキビに対するピーリングの有効性について説明しました。皮膚の表面をはく離するピーリングは、ニキビの治療や予防に効果があることは間違いありません。保険適応の塗り薬でもピーリング効果を有するものがあり、まずはその治療から開始することになりますが、より高い効果を得たい場合や、ニキビ症状が重症の場合は、サリチル酸やグリコール酸を用いたピーリングを行うこともあります。医療機関で扱っているピーリング剤は、いずれも高濃度であり、使用方法や取扱いには注意を要します。各々の症状に合わせて、濃度や施行頻度を相談して治療していきましょう。

参考文献
日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第 3 版)

日本皮膚科学会 尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016

皮膚科専門医

岡田里佳

2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。

資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

WEB予約はこちら

カテゴリ: ピーリング

コラム一覧へ戻る