TMクリニック 西新宿 皮フ科・内科

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院長コラム

2018.05.25

「アゼライン酸」のもつさまざまな効果を専門医が徹底解説ーニキビ、酒さ、赤ら顔の治療ー

こんにちは。TMクリニック西新宿院長おかだりかです。
アゼライン酸は、ニキビや赤ら顔(酒さ)などの治療薬として昔から使われている成分です。日本では医療用医薬品にはなっていませんが、欧米諸国では医師が処方する「薬」として使用されているところもあります。もともとは小麦などの食品に含まれる成分であり、肌への刺激が少なく皮膚に優しい成分です。アゼライン酸には、美白効果もありニキビや湿疹が治った後の色素沈着にも効果が期待できます。
ここでは、あまり知られていませんが、皮膚に優しく多彩な作用をもつアゼライン酸について、皮膚科専門医がわかりやすく解説していきます。

アゼライン酸とはーさまざまな作用をもち、皮膚に優しい成分ー

アゼライン酸という成分を知っていますか。海外では昔からニキビの治療薬として使用されている成分ですが、日本ではあまり知られていません。海外では、医師が処方する医薬品として使用されている場合もありますが、日本では医療用医薬品としては認可されておらず、「化粧品の含有成分の1つ」という位置づけになっています。

アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀物や酵母などの天然由来のものに含まれる酸(飽和ジカルボン酸)であり、普段日常的に私たちが口にしているものに含まれています。もともとそのような天然のものに含まれている成分であるため、肌に塗ったときの刺激感が少ないと言われています。また、妊娠中でも使用が可能なため、妊娠中のニキビ治療にも使用されることがあります。

アゼライン酸の効果としては、
・角化異常を抑制する(ニキビの原因になる古い角質が詰まり、角栓ができるのを抑制する)
・抗菌活性
・皮脂分泌を抑制する
・抗炎症作用
・メラニン産生を抑制 など

があります。これらの作用を期待して、ニキビや酒さ(中高年の顔面に生じる慢性的な赤み、ほてり)の治療に用いられています。現在は、世界各国でニキビ用医薬品として承認されており、30年以上使用されています。欧米のニキビのガイドラインでは、アゼライン酸による治療はセカンドラインとして推奨されています。欧米に比べて使用経験が少ない日本では、皮膚科学会が策定している「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016」において、アゼライン酸による治療は、「推奨度:C1(面皰・炎症性皮疹に,アゼライン酸外用を選択肢の一つ として推奨する.但し,保険適用外であることに配慮す る必要がある)」とされています。副作用がなく比較的安全に使えることを考慮すると、アゼライン酸はニキビや酒さ(赤ら顔)に対して使用することは、有効であると考えます。

参考
日本皮膚科学会 尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016

ニキビ、赤ら顔(酒さ)に有効ーさらに美白効果もー

ニキビ

アゼライン酸は、角化を抑制する作用、皮脂の分泌を抑制する作用、抗菌作用があることからニキビの治療薬として優れた効果を発揮します。ニキビは、①古い角質が詰まり、角栓ができ毛穴を防ぎ(白ニキビ)、②その詰まった部分に皮脂がたまり、③アクネ菌などの細菌が感染して生じます(赤ニキビ)。
詳しいニキビが生じる機序については、こちらのコラムを参照ください。
上で説明したように、アゼライン酸は角化を抑制、皮脂分泌を抑制、抗菌作用をもつことから、ニキビの治療に用いられているのです。日本でも、20%アゼライン酸クリームニキビ治療に対する臨床試験が行われ、有効性、アクネ菌に対する殺菌効果、安全性が確認されています。(Aesthetic Dermatology, 2011; 21: 32― 41)

使い方としては、朝夕の洗顔後に保湿を行った後、ニキビができやすい部分、または顔全体にアゼライン酸を塗ります。使用当初は、ひりひり感を感じる方もいますが、使用を続けるうちに改善すると言われています。

酒さ(慢性的な赤ら顔)

酒さ(しゅさ)とは、中高年によくみられる「慢性的な顔の赤み」が生じる病気です。お酒を飲んだ際に顔が赤くなることから、「酒さ」と名付けられましたが、飲酒との直接的な関連はありません。赤みだけではなく、赤いぶつぶつとした皮疹がでたり、ほてりを伴ったりします。酒さはニキビと異なり、発症原因が明らかになっていません。ニキビのように効果的な薬も少なく、治りにくく慢性的に経過することが多いです。皮脂や細菌の関与が指摘されていることから、抗生剤の内服や外用が行われます。しかし、抗生剤の内服や外用は長期間続けるわけにはいきません。アゼライン酸は、酒さに対しても有効であると言われています。原因がはっきりわかっていない病気なので、どのような機序で効果を発揮するかは、明確ではありませんが、長期の使用しても副作用がないため、慢性に経過する酒さに対しては適した治療と考えます。

このように、アゼライン酸は多彩な効果をもちながら、副作用がほとんどないため、長期に使用することが可能です。ニキビや赤ら顔で悩む方にとって、日々のスキンケアの一部として、気軽に使用してみることができるでしょう。美白効果もあることから、ニキビ痕などの色素沈着にも一定の効果が期待できるでしょう。

現状、日本では市販はされておらず、クリニックや病院でしか購入できません。個人輸入などでネットで購入することは可能かもしれません。その際は「アゼライン酸が配合されている」といった記載だけではなく、配合されている濃度をしっかり確認するとよいでしょう。効果があると報告されている濃度は、15-20%程度です。当院は、ロート製薬株式会社が販売している20%アゼライン酸クリーム(DRX AZAクリーム 15g(約1ヶ月分)、1800円)を取り扱っていますこちらの記事も参照ください。おそらく、日本国内の多くのクリニックや病院でも同様のクリームを扱っていると思います。使用を考えている方は、医師に相談してみましょう。

ロート製薬から出されているアゼライン酸ー15g(約1ヶ月分)、1800円ー


参照:ロート製薬ディーアールエックスAZAクリア

まとめ

ここでは、アゼライン酸という成分について説明してきました。多彩な効果をもちながら、副作用が少ないアゼライン酸は、日本では「薬」というよりは「化粧品」として扱われています。処方箋は必要なく、誰でも気軽に使い始めることができます。しかし、市販はされておらず、クリニックや病院で購入する必要があります。ニキビや赤ら顔が気になる方、強い薬は苦手でまずは副作用が少ないものから開始してみた方など、医師に気軽に相談してみましょう。

皮膚科専門医

岡田里佳

2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。

資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

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カテゴリ: ニキビ

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