TMクリニック 西新宿 皮フ科・内科

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院長コラム

2017.12.28

女性に多い顎ニキビ(ざ瘡)ー繰り返し治りにくい原因と対処方法を専門医が徹底解説ー

こんにちは。TMクリニック西新宿院長のおかだりかです。
顎や口の周りに繰り返し出現するニキビに悩まされていませんか。思春期ではなく、大人になってから出てくる顎ニキビは、治りにくく厄介なものが多いです。
ここでは、顎ニキビの原因について、医学的な根拠を示しながらわかりやすく説明します。また、自分でできるセルフケアと、専門医とともに行うべき治療、潜んでいる病気の可能性ついても解説していきます。

女性に多い顎ニキビとは?

ニキビは思春期によくできるものと思っていませんか。たしかに、思春期には女性、男性を問わずニキビはできますが、思春期を終えた後にもニキビはできます。特に、20-30歳代の女性にできるニキビを、「思春期後ニキビ」と呼びます。このニキビは、顎や口の周りに多発し、月経前やストレスなどで増悪するといった特徴があります。通常の治療にでは治りにくく、専門的な検査や治療が必要な場合もあります。

(参考)
公益社団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A

顎ニキビの原因とは ー知っておきたい3つのニキビの原因ー

ニキビの原因は主に3つあります。1つ目は、「毛穴の詰まり」です。詰まった毛穴は「面皰(めんぽう)」と呼ばれ、見た目には白や黄色いブツブツしたものに見えます。この状態を「白ニキビ」と呼びます。2つ目は、「皮脂」です。詰まった毛穴の中では、皮脂の産生が増え、だんだん貯まっていきます。3つ目は、「アクネ菌」です。毛の常在菌(普通の状態でも存在している菌)であるアクネ菌が、詰まった毛穴の中で増殖し、赤く炎症を引き起こします。この状態が普段よく目にする「赤ニキビ」です。
このような3つの原因により、ニキビは発症します。この3つ中で、特に顎ニキビに関係している原因は、「皮脂」です。男性ホルモンが増えると、皮脂の分泌が多くなりニキビができやすくなります。月経前は「黄体ホルモン」の分泌が増えますが、黄体ホルモンは男性ホルモンのように働くので、皮脂の産生を増やします。よって、ニキビができやすくなるのです。また、ストレスや寝不足などにより、ホルモンバランスが崩れることによって、皮脂の分泌が増え、ニキビができやすくなります。

顎ニキビの治療とは ー3つの原因から考えるセルフケアと病院での治療ー

上で説明した3つの原因(毛穴の詰まり、皮脂、アクネ菌)を元に、ニキビに対する治療を見ていきましょう。
まずは、1つ目の原因である「毛穴の詰まり」に対する治療です。詰まった毛穴は、塗り薬(アダパレン、過酸化ベンゾイル)と、ケミカルピーリングによって改善されます。いずれも角質を除去する作用があり、「詰まった毛穴の蓋をとる」ようなイメージを持ってよいでしょう。塗り薬は保険診療で対応可能な薬であり、日本皮膚科学会が策定しているガイドラインでも、強く推奨されています。皮膚科を受診した場合、まず開始されることが多い薬です。
この薬で改善する患者さんも多いですが、大人のニキビには効果が乏しいこともあります。その場合は、「ケミカルピーリング」が適応になります。薬を顔に塗り、一定時間をおき、その後洗い流す処置になります。処置に使用する薬剤が特殊であり市販されておらず、医療機関での処置になります。自宅では、ピーリング石鹸を利用すれば、気軽にピーリング効果が得られます。
(参考)
日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)

次に「皮脂」です。皮脂の分泌を抑えることは、なかなか難しいです。ビタミンCやアゼライン
酸の塗り薬は、ある程度効果が得られる患者さんが多く、ガイドラインでも推奨されています。しかし、いずれも保険適用外です。ビタミン剤(C、B2、B6など)の内服も、皮脂の軽減が期待されますが、そこまで効果を実感している患者さんは少ない印象です。皮脂の分泌を最も強力に低下させるのは、「イソトレチノイン」という飲み薬です。海外では通常の治療の使われている薬ですが、日本ではまだ認可されていません。副作用もあるため、専門医の診察の下で使用すべき薬です。保険診療は適応にはならず、自由診療になります。

特に、顎ニキビについては、月経周期のホルモンバランスによって皮脂が増えることで増悪する場合があります。重症の場合は、ホルモン療法(低用量ピルの内服)によって、症状が改善することがあります。また、月経異常を伴うような顎ニキビの場合、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」という婦人科系疾患が潜んでいる可能性もあります。

最後に、「アクネ菌」についてです。アクネ菌は細菌の1種であり、抗生剤での治療が効果的です。白い膿を伴った赤いニキビが多数あるような重症な患者さんは、抗生剤の内服が必要になります。内服するほどの症状ではない方は、塗り薬の治療になります。一時的に内服薬を使用し、ある程度落ち着いたら、塗り薬に変更することも多いです。

まとめ

顎ニキビは、思春期以降の女性に繰り返し出現する治りにくい特徴があります。ホルモンバランスの乱れが原因であることが多く、ストレスや月経周期によって悪化します。通常の治療に反応しない場合も多く、重症な人はホルモン療法の適応になることがあります。また、月経異常を伴うような場合は、婦人科疾患が隠れていることもあります。なかなか治らない顎ニキビに悩んでいる方は、専門医に相談することをおすすめします。

皮膚科専門医

岡田里佳

2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。

資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

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カテゴリ: ニキビ

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