TMクリニック 西新宿 皮フ科・内科

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院長コラム

2018.01.25

専門医が教える「水ぶくれ」になる水虫(白癬)の特徴と、早く治すために普段の生活で工夫できること

こんにちは。TMクリニック西新宿院長のおかだりかです。
水虫は、5人に1人がかかっていると言われているほど頻度の高い疾患です。皮膚科外来でも、特に夏のジメジメした時には多くの患者さんが来院されます。よくみられる病気なのですが、水虫の症状について正確な知識を知っていますか。水虫はかゆくなったり、皮がむけるだけではなく、時には「水ぶくれ」になることもあります。ここでは、水ぶくれになる水虫の特徴、治療のポイントについて専門医がわかりやすく説明していきます。

水ぶくれになる水虫の特徴について

水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビの1種が、皮膚に感染して生じる皮膚の病気です。白癬菌は糸のような見た目ですが、肉眼では観察できず、皮膚科医が顕微鏡でみて確認できるほどの大きさしかありません。水虫になると、痒くなったり、皮がむけるという症状が出ます。また、かゆみなどの自覚症状がない場合も多くあります。白癬菌はジメジメした環境を好むので、足の裏によく症状が現れます。足は靴を履いている時間が多く、汗もよくかくところなので、水虫にとっては格好の環境なのです。そして、特にジメジメした夏の間に、症状が起こりやすくなります。

足の裏を中心に出現する水虫を、足白癬(あしはくせん)といったり足水虫といいます。足の水虫の特徴として、足指間にできるタイプ、水ぶくれができるタイプ、皮膚が厚くなるタイプに分かれます。足指間にできるタイプが最も多く、白く皮がむける症状が特徴です。皮膚が厚くなるタイプは、かかとを中心とした足の裏全体にみられることが多く、かゆみなどの自覚症状が乏しいため、皮膚科を受診せずに放置されているケースも多くあります。
ここでは、水ぶくれができる水虫のタイプについて説明していきます。水虫によって出現する水ぶくれは、小さい水ぶくれ(小水疱)が多く、足底の土踏まずの部分によく生じますかゆみを伴うことが多いと言われています。足の裏は汗をかきやすいため、汗による湿疹(汗疹)も生じやすい部位です。水虫による水ぶくれと汗による湿疹は、治療方針が大きく異なるため、しっかりとした鑑別が必要になります。水虫による水ぶくれには、ほぼ確実に白癬菌がいると言われています。水ぶくれ部分の皮膚を摂取し、顕微鏡で観察すると、糸のような白癬菌が高い確率で観察されます。よって、顕微鏡の検査で白癬菌が認められなければ、汗による湿疹と考えられ、その治療を行います。この検査は皮膚科医でなければできないので、足の裏に水ぶくれができた時は、皮膚科を受診するようにしましょう。

参考
あたらしい皮膚科学:第2版

水ぶくれの水虫の治療のポイント

足底の水ぶくれの原因が水虫とわかったら、続いて治療を行う必要があります。先ほども説明したように、水ぶくれになる水虫はかゆみを伴うことが多いです。かゆくて掻いてしまうと、傷になったり、湿疹が合併することがあります。水虫の症状以外に、このような症状が合併している場合、まずは傷や湿疹の治療が必要になります。傷がありじくじくしている場合は、そのじくじくを亜鉛華(あえんか)軟膏などの塗り薬を使って乾かす必要があります。また傷に細菌が感染し、二次感染を起こしている場合は、抗生剤の塗り薬や飲み薬で治療を行います。湿疹が合併している場合は、ステロイドの塗り薬を使って治療を行います。
水虫の塗り薬はかぶれてしまうことが多く、周囲の皮膚が荒れていると、効果が得られないばかりか、症状が増悪してしまうこともあるため、このような先行した治療が重要になります。

また、水ぶくれがあると、薬がしみてしまうことがあります。水虫の塗り薬は、軟膏タイプ、クリームタイプ、液体タイプがあります。しみてしまう可能性がある場合は、刺激が少ない軟膏タイプを選択します。また、足の裏のべたつきがきになる方は、使い心地がさらさらする液体タイプを選択することもあります。
水虫はじめじめした環境を好みます。通気性のよい靴下や靴をはくようにすることで、治癒を早めることもできます。

まとめ

ここでは、足底の土踏まず部分にできやすい水ぶくれの水虫について説明しました。かゆみを伴うことが多いですが、掻いてしまうと湿疹や傷になり、治療が長引く可能性があります。症状に気がついたら、早めに皮膚科を受診し、しっかり検査を行い適切な治療を受けるようにしましょう。水虫の塗り薬は、軟膏タイプ、クリームタイプ、液体タイプの3つがあります。使い心地や皮疹の状態に合わせて、医師と相談して選ぶとよいでしょう。

皮膚科専門医

岡田里佳

2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。

資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

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カテゴリ: 水虫

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