TMクリニック 西新宿 皮フ科・内科

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院長コラム

2018.01.26

「首にできるイボ、軟性線維腫(アクロコルドン)」について専門医がわかりやすく解説

こんにちは。TMクリニック西新宿院長のおかだりかです。
「首のイボをみてほしい」と、外来にいらっしゃる患者さんは多くいます。しかし、そのイボの症状は様々で、原因によって治療方法は異なります。また、患者さんが「イボ」と言っていても、診察したらイボでないことも多くあります。ここでは、首にできるイボの意外な原因と、除去する方法についてわかりやすく説明していきます。

首のできるイボの様々な原因

皮膚科の外来をやっていると、「首のイボ」を主訴の来院される患者さんはたくさんいます。患者さんのいう「イボ」には、いろいろな疾患が含まれています。診察すると、ほくろであったり、しみであったりします。「イボ」というのは、医学的な言い方ではなく、見た目からの呼び方です。皮膚科医が「イボ」と使うときは、「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」というウイルス性のイボをさします。これは全身の皮膚にできる可能性がありますが、圧倒的に手足にできることが多く、首にはあまりできません。
患者さんが「首のイボ」と訴える原因のほとんどが、「軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)」別名、「アクロコルドン」という良性の皮膚腫瘍です。首の周りや脇の下など、皮膚が擦れる部分にできやすく、多発することもあります。この「イボ」自体は、放置しても何も問題はありません。しかし、脇の下ならともかく、首の周りは人目につきやすいため気にされる方が多くいます。
その他に首にできる「イボ」の原因として、「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」があります。これは、加齢とともに出現してくるほくろのような見た目の良性腫瘍です。これも放置しても、問題にはなりません。
若い人で多発する「イボ」として受診される方の中には、「扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)」という疾患の方もいます。手足にできるイボ(尋常性疣贅)の原因はウイルスと説明しましたが、この疾患の原因も同じウイルスです(厳密には「タイプ」が異なります)。顔によくできますが、首に拡大することもあります。かゆくて多発することがありますが、自然に消失することも多いのが特徴です。

参考
あたらしい皮膚科学:第2版

首にできたイボを除去する方法ー皮膚科で行っている凍結療法とは?ー

ここでは、首にできたイボを除去するための治療方法について説明します。まず、手足に出現するイボ(尋常性疣贅)に一般的に行われる「凍結(とうけつ)療法」について説明します。凍結療法とは、-196℃の液体窒素を皮膚に当てることで、低温にて細胞を凍結させ、壊死、脱落させる治療方法です。液体窒素を綿球や綿棒に染み込ませて。皮膚に当てる方法と、先端を液体窒素に浸したピンセットなどで病変を摘みとる方法があります。

首にできたイボの多くの原因である軟性線維腫は良性であり、放っておいても、悪性になることはありませんが、脇の下ならとともかく、首の周りに多発したイボは見た目が気になる方が多いでしょう。よって、多くは患者さんの希望による整容的な目的として、治療が行われます。凍結療法で除去することが多く、綿球を用いて凍結させたり、ピンセットで摘みとったりします。痛みはほぼありませんが、時に少量の出血を伴うことはあります。また、一度に全ては除去できず、何回か通院して治療を行う必要があります。皮膚に刺激を与える治療になりますので、治療後は色素沈着(しみ)が残ることが多くあります。これは炎症後色素沈着と呼び、皮膚に炎症が起こった後には必ず生じる現象です。半年から1年で消退していきますが、人によってはしみが残ってしまうこともあります。

若い方に多い扁平疣贅の場合、自然治癒も期待できることから、凍結療法を行わないこともあります。凍結療法を行うと、色素沈着(しみ)が残ってしまうことがあり、若い人の首などの目立つ部分にしみが残ってしまうことは望ましくありません。多発している人には、ヨクイニンという漢方薬の1種を処方することがあります。ヨクイニンは保険診療で認められており、よく効く方もいますので、多発したイボで悩んでいる方で原因が扁平疣贅であれば内服してみることも選択肢の1つになります。

まとめ

「首にできるイボ」といっても、様々な原因によって生じていることを説明しました。見た目だけでは判断が難しい時は、皮膚の一部をとって顕微鏡で調べる検査(皮膚生検)を行う場合もあります。しかし、多くは「軟性線維腫」という皮膚が擦れることで生じる良性の皮膚腫瘍です。放置しても問題ありませんし、整容的に気になる場合は除去もできます。
自分で良性のイボだと思っていても、皮膚科医がみたら別な疾患であることもあります。自己判断はせずに、首にできたイボが気になる場合は、気軽に皮膚科医に相談してみましょう。

院長

岡田里佳

2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。

資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

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カテゴリ: イボ

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