TMクリニック 西新宿 皮フ科・内科

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院長コラム

2018.04.23

専門医が教えるハイドロキノンの正しい使い方ー美白剤としての効果と安全性についてー

こんにちは。TMクリニック西新宿院長おかだりかです。
ハイドロキノンという美白成分を使ったことはありますか。欧米では古くから美白剤として使用されていますが、日本では2002年に認可されて以来、市販品にも配合できるようになりました。インターネットや店頭で誰でも気軽に購入できるハイドロキノンですが、その効果や安全性を正確に知っているでしょうか。ここでは、美白剤としてハイドロキノンについて、医学的根拠を示しながら、使用方法、効果や安全性について説明していきます。

ハイドロキノンの美白効果ーどんな「しみ」にも効くのかー

ハイドロキノンとは

ハイドロキノンは、米国では20年以上前から美白剤として使用されている成分です。日本では2002年に認可されてから、クリニックなどの医療機関での扱いだけではなく、市販の化粧品にも配合されるようになりました。現在は、インターネットや店頭で、誰でも気軽にハイドロキノン入りの化粧品を購入できるようになっています。
ハイドロキノンの美白効果は、1940年になめし皮工場で集団発生した「白斑(はくはん)」の原因がハイドロキノンであったことから、発見されました。作用機序としては、メラニン色素の合成に関わる酵素の活性を抑制し、加えてメラニンの産生細胞そのものを減少させることで、シミを漂白すると言われています。ハイドロキノンは、もともと節足動物や植物の一部にも含まれている成分です。

どんな「しみ」にも効くのか

ハイドロキノンは美白効果をもつことから、多くの人が「しみ」を漂白するために使用しています。ここで言う「しみ」とは、どんな皮膚の状態を示しているのでしょうか。患者さんが「このしみをとりたい」と言う場合、医学的にはいろいろな種類の「しみ」が含まれています。最もよくみられるのは、「加齢によるしみ」です。医学的には老人性色素班と言われます。中年以降に露光部(太陽の光がよく当たる部位:顔、首、腕など)に出現する褐色の皮疹です。
若年の女性でよくみられるのは、「肝斑(かんぱん)」と言われる顔の対照的に出現する淡い褐色の小さい皮疹です。
また、慢性的な湿疹や火傷の後に生じる色素沈着もよくみられます。これは「炎症後の色素沈着」と言われるものです。ニキビの跡の色素沈着もこれにあたります。
これらの「しみ」には、ハイドロキノンは一定の効果を示しますが、基本的には「トレチノイン」との併用療法が推奨されています。トレチノインは、強力なメラニン排出効果があります。これらの「しみ」は、ハイドロキノン単独ではなく、トレチノインと併用することで、薄くなったり消失させることができます。トレチノインはその強力な作用から、塗った部分に「かぶれ」を起こすことがあります。顔全体に淡い「しみ」が多発している方などは、顔全体にトレチノインを塗るのはおすすめできません。その場合は、やや効果は劣りますが、ハイドロキノンのみを使用するか、ピーリングを行うことをおすすめしています。
しかし、トレチノインを併用したとしてもハイドロキノンは「しみ」の万能薬ではありません。
ここで、塗り薬が効果的な「しみ」について理解するために、「皮膚の構造」について説明します。
皮膚は表面から「表皮→真皮→脂肪層」という組織に大別されます。私たちが表面から触れられるのは、表皮になります。表皮はさらに「角質層→顆粒層→有棘層→基底層」に分けられます。「しみ」の原因であるメラニンは、表皮、真皮、脂肪層のどこにでも存在することができます。トレチノイン・ハイドロキノン併用療法によって漂白効果が得られる「しみ」は、理論的には「表皮のしみ(表皮の存在するメラニン、メラノサイト)」になります。イメージとしては、「皮膚の浅い部分にあるしみ」と考えてよいでしょう
メラニンは、皮膚の深層にいくにつれて、見た目には黒く、青く見えたり、盛り上がってみれることが多いです。もちろん見た目だけでは判断ができない場合もありますが、大まかな目安として、「平坦な茶色いしみ」はトレチノイン・ハイドロキノンの塗り薬の効果が得られる可能性が高いといえます。それより深い部位にある「しみ」は、塗り薬では効果が乏しくレーザー治療が適応になります。

ハイドロキノン製剤についてー市販品と医療機関で処方される薬の違いー

米国では化粧品に配合できるハイドロキノンの濃度は、「2%まで」と決まっていますが、日本では化粧品に配合できるハイドロキノンの濃度はまだ規制されておらず、高濃度の化粧品も購入可能です。上記で説明したように、ハイドロキノンには細胞毒性があるため、副作用もあり、使用方法を間違えると皮膚に悪い影響を及ぼします。自分で購入する際は、使用方法などをしっかり確認してから使用するようにしましょう。一般的な使用方法については、次で説明します。

ハイドロキノンは、濃度が高くなるほど漂白効果は高くなります。しかし、一方で副作用の出現頻度も高くなります。漂白効果と副作用のバランスを考えたとき、よく推奨される濃度は「4%程度」であり、当クリニックでも「4%のハイドロキノンクリーム」を採用しています。肌の状態は個人個人で異なりますので、それより低い濃度が合う人や、高い濃度でしか効果は得られない人もいます。
また、先述したように、多くの「しみ」はハイドロキノン単独では効果が得られません。顔全体の美白を目的として使用する分には、ハイドロキノン単独でもよいかもしれませんが、「このしみをとりたい」と考えている場合は、ハイドロキノン単独での効果は限定的で、トレチノインと併用することが必要になります。なお、トレチノインは、現状では医療機関でしか購入できません。

ハイドロキノンの使い方と注意すべき副作用

ハイドロキノンの使い方

ハイドロキノンを使い始める時、特に肌が弱い方などは、腕などに塗って「かぶれないか」を確認してから使用することをおすすめします。特に、濃度が高いものはかぶれやすいので、初めて使用する際は腕などの目立たない部位に塗り、1日経ってもかぶれていないことを確かめてから使用するほうがよいでしょう。
ハイドロキノンは、基本的に1日1回夜の洗顔後に使用することが推奨されています。ハイドロキノンは紫外線に当たると、逆に「しみ」を濃くしてしまいます。よって、朝の洗顔後に塗ることはできません。また、ハイドロキノンを使用している間は、日焼け止めを使用するようにしましょう(SPF20以上が推奨されています)。
顔全体の美白効果を期待する場合は、洗顔後、化粧水や乳液で肌を整えた後に、顔全体に薄く塗りましょう。部分的な「しみ」に使用する場合は、「しみ」の部分の塗るようにしましょう。トレチノインと併用する場合は、先にハイドロキノンを「しみ」より少し大きくぬって、その後トレチノインを「しみ」と同じ範囲に塗るようにしましょう。

注意すべき副作用

ハイドロキノンの注意すべき副作用については、「短期的な副作用」と「長期的な副作用」に分けて説明します。まず、「短期的な副作用」として、「かぶれ」があります。ハイドロキノンは作用として細胞毒性を持っているように、刺激が強い塗り薬です。1〜10%程度の濃度がよく使用されますが、4%以上になると、刺激が強くかぶれの頻度も高くなります。肌が弱いなど心配な方は、使用開始前に腕などにつけて刺激がないことを確認したほうがよいでしょう。
かぶれてしまった場合は、すぐに使用を中止し、皮膚科を受診するようにしましょう。また、ハイドロキノンを塗っている間は日焼け止めを使用しなければいけません。ハイドロキノンは紫外線にあたると、しみを濃くしてしまいます。
ハイドロキノンは、変性しやすい成分です。冷暗所に保存するようにし、開封後は早めに使用するようにしましょう(使用期限は各商品によって異なります)。
次に、「長期的な副作用」について説明します。ハイドロキノンを長期にだらだらと使用すると、「白斑」が出現するリスクが高くなったり、効果が出にくくなることもあります。
ハイドロキノンを3ヶ月以上使用しても効果が乏しい場合は、使用をやめて、レーザー治療などの別な方法を考慮することが大切です。

まとめ

ここでは、美白剤として誰でも手軽に入手できるハイドロキノンについて説明しました。ハイドロキノンは手軽に使用できる美白剤になっていますが、効果が期待できる「しみ」は限られており、あくまでも美白剤としての位置付けであることを理解しましょう。また使用方法や副作用をしっかり理解することも大切です。肌をきれいにするために使用したはずが、逆にかぶれたり、しみが増えることになったら本末転倒と言えるでしょう。
ハイドロキノンは決して万能薬ではありません。長期に使用することで副作用や効果減弱も認めることがあります。3ヶ月以上使用しても効果が得られない場合は、別な方法を試す必要があります。手軽に入手できるからこそ、正確な知識を身につけ、正しく使用することが大切です。

院長

岡田里佳

2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。

資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

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カテゴリ: しみ

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