TMクリニック 西新宿 皮フ科・内科

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院長コラム

2018.06.12

汗をかくと出現する蕁麻疹(じんましん)についてーコリン性蕁麻疹、特発性後天性全身性無汗症(AIGA)について解説ー

こんにちは。TMクリニック西新宿院長おかだりかです。
運動をしたりお風呂に入った時など、汗をかく場面で蕁麻疹がでたことはありませんか。このように汗が関与する蕁麻疹は、「コリン性蕁麻疹」と言われます。コリン性蕁麻疹以外にも、汗は慢性蕁麻疹の原因になっていることもあります。また、慢性蕁麻疹の患者さんは、発汗が少ないという報告もあります。ここでは、汗と蕁麻疹の関係について、主にコリン性蕁麻疹の治療方法や予防方法などを医学的根拠をもとに、わかりやすく説明していきます。

汗と蕁麻疹の関係

汗が関与する蕁麻疹の症状の特徴

汗が関与した蕁麻疹(じんましん)があることを、知っていますか。運動した時やお風呂に入った時に汗をかくと、蕁麻疹がでるといった主訴でクリニックを受診される患者さんがいます。典型的な蕁麻疹は、蚊に刺されたような盛り上がったかゆい発疹がでます。このような発疹を、医学的には「膨疹(ぼうしん)」と呼びます。しかし、汗が関与した蕁麻疹の発疹はこれとは異なり、点状のポツポツとした赤い発疹であることが多いです。典型的な蕁麻疹は、かゆみを伴いますが、汗が関与したこのような蕁麻疹は、発疹が出現するときにピリピリとした痛みを伴うことが多いと言われています。

このように、汗が関与して出現する点状のポツポツとした蕁麻疹を「コリン性蕁麻疹」と呼びます。コリン性蕁麻疹は、小児期から青年期に多くみられますが、高齢者には認められないといった特徴があります。運動、入浴などの体内温度が上昇する場面以外にも、精神的な興奮によって体内温度が上がることで生じる場合もあります。多くは、数ミリ大の皮疹が左右対称に生じます。皮疹が出現する際に、ピリピリとした痛みを伴う場合もあります。
発症には、自分の汗に対する過敏性が関与していると言われています。汗をあまりかかない人に発症する場合が多く、汗をかきやすい夏には症状が消失し、汗をかきにくい冬に症状が増悪する傾向もあります。

汗が関与する蕁麻疹は、なぜ「コリン性蕁麻疹」と呼ばれるか

それでは、汗が関与する蕁麻疹はなぜ「コリン性蕁麻疹」という名前で呼ばれるのでしょうか。ここでは汗をかく仕組みについて、簡単に説明していきましょう。
汗は交感神経の刺激によって、汗腺で作られ、汗管(かんかん)という管を通り、皮膚の表面にでてきます。交感神経は、「アセチルコリン」という物質を介して汗腺に働きかけます。この「アセチルコリン」が、蕁麻疹の発現に関与していると考えられているため、「コリン性蕁麻疹」と呼ばれます。コリン性蕁麻疹の患者さんに、アセチルコリンを皮内注射すると、発汗とともに蕁麻疹が出現します。このことからも、コリン性蕁麻疹にアセチルコリンが関与していると考えられています。

発汗低下を伴うコリン性蕁麻疹ー特発性後天性全身性無汗症についてー

コリン性蕁麻疹の患者さんは、発汗低下を伴うことが多いと言われており、減汗性コリン性蕁麻疹とも呼ばれています。後天性の無汗症(汗をかかない)として、特発性後天性全身性無汗症(acquired idiopathic generalized anhidrosis; AIGA)があります。AIGAには、コリン性蕁麻疹が合併することがあり、AIGAの診断基準の参考項目にもコリン性蕁麻疹が入っています(参照AIGA)。AIGAは比較的若い男性に、急速の発症しやすいと言われており、2015年に指定難病に登録されています。


参照:難病情報センター 特発性後天性全身性無汗症

コリン性蕁麻疹の診断・治療・予防方法

コリン性蕁麻疹の診断

コリン性蕁麻疹は、運動や入浴などによって点状のポツポツとした発疹が出現するといった病歴から診断されることが多いです。しかし実際には、診察時にそのような発疹が確認できることは少ないでしょう。よって、日常生活を送る中で、患者さん自身に発疹が出た時に写真をとって頂き、その写真をみることで診断にたどり着くこともあります。また、上記で説明したように、アセチルコリンを皮内注射して皮疹が誘発されるかを確認する方法もあります。

コリン性蕁麻疹の治療・予防方法

治療は、他の蕁麻疹と同様に抗ヒスタミン剤の内服が第一選択です。抗ヒスタミン剤は、様々な種類が出ていますが、どの薬がもっとも効果が高いかどうかについては、明らかではありません。薬が効くかどうかも、個人差があり、主治医と相談しながら適宜追加や変更を行っていくことになります。

発汗障害を伴うコリン性蕁麻疹では、運動や入浴などを通じて積極的に発汗をすることで、徐々に発汗が見られるようになり(半年〜1年程度)、同時に蕁麻疹も改善することがあると言われています。ここで注意しなければいけないのが、急激に汗をかくような強い運動を行った場合、強い反応が生じることで、場合によっては意識障害にいたることもあるので、医師と相談しながら、徐々に運動負荷をかけていくことが大切です。

まとめ

ここでは、汗が関与する蕁麻疹(コリン性蕁麻疹)について説明してきました。特発性後天性全身性無汗症という聞きなれない病気についても紹介しました。運動や入浴時など汗をかくような場面で、ピリピリとした痛みを伴った細かい発疹が出現するような方は、コリン性蕁麻疹の可能性があります。思い当たる症状がある方は、まずは気軽に医療機関へ相談してみましょう。


参照:日本皮膚科学会 蕁麻疹診療ガイドライン

皮膚科専門医

岡田里佳

2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。

資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

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カテゴリ: 蕁麻疹

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