2021.05.17
原因不明の顔の赤み・・・もしかして酒さかも?
こんにちは。TMクリニック西新宿院長の本田菜摘です。
今回は、原因不明の顔面の紅斑(あかみ)、酒さについてコラムを書きたいと思います。
酒さって何?
教科書的には中高年の顔面に後発するびまん性のあかみと血管拡張をきたす慢性炎症疾患とされています。しかしながら、普段の診療を行っていると、20-30代の方でもみられることが多いと感じます。私自身も症状あり、治療に悩まされています。
酒さの分類 症状
重症度によって4段階に分類されます。第1.2度は女性に多く、第3度は男性に多いといわれています。
①第1度酒さ(紅斑毛細血管拡張症)
鼻、頬、眉間、オトガイ部に赤みが出現し、次第に持続背負いとなり毛細血管拡張と脂漏を伴うようになります。寒暖や飲酒で症状が増悪することがあります。かゆみ、ほてり感、易刺激感などの自覚症状を感じます。
②第2度酒さ(酒さ性ざ瘡)
第1度の症状に、にきびのような赤い丘疹や膿疱がくわわり、脂漏が強まります。
③第3度酒さ(鼻溜)
丘疹があわさり腫瘤状になります。特に鼻が凹凸不整に盛り上がり、赤紫色になってきます。
④眼型
眼瞼炎、角膜炎、結膜炎なども合併します。
酒さの原因、悪化因子
原因は不明といわれております。慢性的な化粧品かぶれが原因となるという説もあります。
もともと肌が白い方に生じることが多い印象です。
また、日光暴露、精神的ストレス、飲酒、カフェインや香辛料などの刺激物、肝機能障害などは悪化因子になるといわれています。
酒さの治療方法
酒さは難治性といわれています。いくつか治療法をご紹介します。
<内服薬>
抗生剤の長期内服、特にビブラマイシンは赤みをおさえ、丘疹をともなう状態にも効果的といわれています。長期内服することによって耐性菌がついてしまったり、肝機能障害などが生じる可能性があるため、主治医と相談しながら内服継続することが必要です。
<漢方薬>
桂枝茯苓丸 のぼせ、ほてり、ひえ、むくみに効果あり
黄連解毒湯 にきびにも使用することが多いお薬で、解毒作用、炎症を抑える効果
<外用薬>
①アゼライン酸(自費 当院は1本1980円)←院長おすすめ!
海外でにきび治療薬として昔から使用されているお薬です。美白効果もあることから最近では美容目的で使用されることも少なくありません。刺激感もそこまでなく、使用しやすいクリームです。
②ロゼックス(自費 1個2200円)
メトロニダゾールが使用されています。
ニキビにも使われる外用薬で、菌の分裂や増殖を抑え、殺菌作用を発揮します。
日本では未承認のお薬のため、自費になっています。
③保険診療 プロトピック
もともとはアトピー性皮膚炎のお薬で、ステロイドではありませんがステロイドと同様に赤みや炎症を抑える作用が入っているお薬です。
ステロイドとは違い、長期的に外用しても皮毛細血管拡張の副作用がないお薬で、長期的に外用できます。
④保険診療 コレクチム
こちらもアトピー性皮膚炎の新薬で、ステロイドとは異なる作用で炎症をおさえてあげる効果があります。プロトピックより刺激感を訴える方が多くない印象ですが、まれに肌に合わない方がいらっしゃいます。
<レーザー>
当院では採用がありませんが、Vビームレーザーが赤ら顔に効果的で、かつ保険診療で治療が可能となっております。(3か月に1度のみ)
まとめ
今回は酒さについてまとめてみました。
原因不明の赤みでお困りの方は、ぜひ当クリニックへご相談いただけましたらと思います。

院長
本田 菜摘
2012年順天堂大学医学部卒業。 同大学病院で内科、皮膚科などの初期研修を行い、内科的スキル習得のためまずは糖尿病内科にて勤務。急性期病院で糖尿病と合併する皮膚疾患に数多く出会い、内科と皮膚科の両方診られる医師を志したいと考える。その後前院長の指導のもと、皮膚疾患を学んでいる。
資格:日本内科学会認定内科医 認定産業医
カテゴリ: 酒さ