2017.12.28
専門医が考える「ニキビ(ざ瘡)を悪化させない5つの方法」と、ニキビ痕への正しい対処法
こんにちは。TMクリニック西新宿院長のおかだりかです。
ニキビが悪化した時、どのように対処していますか。正しい対処をしないと、ニキビ痕が残ってしまったり、いつまでも改善しないこともあります。ニキビは悪化させないことが最も大切ですが、悪化してしまった場合は、どのように対処したら良いでしょうか。ここでは医学的根拠に基づいた正しい知識をわかりやすく説明していきます。
ニキビを悪化させない5つの方法
ニキビができても、その後のケアによって早く治るニキビ、いつまでも残るニキビ、赤く腫れ痛みを伴うニキビ、、とその後の経過はかなり異なります。それでは、早く治るニキビと悪化してしまうニキビでは何が違うのでしょうか。もしニキビができてしまっても、悪化せず早く治ってしまえば悩みは減りますよね。ここでは、ニキビを悪化させない方法を5つに分けて紹介します。
1)早く気がつき、早く対処する
当たり前のことですが、早く気がつき早く対処すれば、治りも早くなります。顔や首のニキビは気がつきやすいですが、背中のニキビは気がつきにくいでしょう。ニキビができやすいと自覚している人は、こまめに自分の皮膚(特に顔、首、前胸部、背中)をチェックし、早期発見を心がけるとよいでしょう。
2) ニキビの状態を把握する
ニキビを早期に発見したら、次にそのニキビの状態を正しく把握することが大切です。ニキビをわかりやすく分けると、「白(黄色)ニキビ」と「赤ニキビ」があります。初期の段階は、毛穴が詰まった状態の「白ニキビ」といいますが、そこにアクネ菌などの細菌が感染すると「赤ニキビ」になります。赤く腫れ上がった状態の「赤ニキビ」は、塗り薬以外に、飲み薬(抗生剤)や膿を出す処置が必要になることがあります。赤ニキビに気がついた時は、早めに皮膚科へ相談しましょう。
3)正しい治療を行う
できてしまったニキビの状態を正しく把握したら、その状態に合った正しい治療を行う必要があります。「白ニキビ」は主に毛穴の詰まりを解消させるような塗り薬、「赤ニキビ」にはアクネ菌に効果がある塗り薬や飲み薬、場合によっては膿を出す処置が必要になります。また、20-30歳代の女性で月経周期に合わせて悪化するようなニキビは、婦人科系疾患が潜んでいる可能性もあります。その場合は低容量ピルの内服などのホルモン療法を併用する必要があります。
4)無理に自分で潰さない
赤く腫れ、中央に白い膿が貯まったニキビは、早く治すために膿を出す処置が必要になります。ただし、清潔な状態で処置する必要があり、自分で処置をすることはおすすめできません。自分で処置を行うと、さらに感染がひどくなりニキビ痕が残ることにつながります。
5)ニキビ痕には正しい処置を
ニキビにうまく対処しても、ニキビ痕が残ってしまうこともあります。ニキビ痕を残さないことが最も大切ですが、できてしまった場合は正しく対処する必要があります。ここではニキビ痕を、色素沈着と凹みなどの瘢痕(はんこん)に分けて説明します。色素沈着とは、ニキビが治った後に生じる「しみ」のことです。色素沈着は、半年程度で自然に消えることも多く、ケミカルピーリングやハイドロキノンなどの塗り薬が有効です。また、レーザー治療の効果も期待できます。瘢痕(はんこん)とは、ニキビ痕が凹んでしまったり、逆にケロイド様に盛り上がってしまった状態です。色素沈着と違い、ケミカルピーリングや塗り薬は、ほぼ効果がありません。真皮まで到達するレーザー治療などが必要であり、施術に慣れた専門医の元での治療をおすすめします。
参考
日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)
まとめ
ニキビを悪化させず、ニキビ痕を残さないためには、早期に発見し、適切な治療を行うことしかありません。日々自分の顔、背中などの皮膚を観察し、早期発見に努め、ニキビを発見した時はすぐに相談や処置ができるような環境を整えるのも大切です。
ニキビは自分で対処する方も多いと思いますが、皮膚科医と共に治療する病気の1つです。ニキビ痕(特に瘢痕)になったら、改善まで時間がかかります。ニキビができたら、気軽に皮膚科医に相談するようにしましょう。

皮膚科専門医
岡田里佳
2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。
資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
カテゴリ: ニキビ