TMクリニック 西新宿 皮フ科・内科

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院長コラム

2017.12.28

ニキビが化膿する原因、化膿した時の正しい対処法について専門医が徹底解説

こんにちは。TMクリニック西新宿院長のおかだりかです。
ニキビが赤く化膿した場合、膿(うみ)や痛みが伴うことがあります。ニキビが化膿した時、どのように対処するの良いか、正確な情報を知っていますか。自分で潰して良いのか、皮膚科に行った方がいいのか、膿が出てきた時どうすればいいのか、などニキビが化膿した時の対処方法について、医学的な根拠に基づいて専門医の視点から解説していきます。

化膿したニキビの正体とは

ニキビができて、そのまま放置すると痛みを伴って赤く腫れてくることがあります。さらに中央に黄白色の膿(うみ)を伴う状態になることがあり、この状態を「化膿したニキビ」と言います。最も大切なことは、化膿する前にニキビを治すことです。しかし、忙しくてすぐに対処できなかったり、感染が急速に進んでしまった場合など、ニキビが化膿してしまうことは誰にでも起こるでしょう。ここでは、ニキビが化膿してしまった場合の正しい対処法を説明していきます。

中央の黄白色の膿(うみ)を伴っている赤いニキビ、膿の正体は何でしょうか。毛穴が詰まって、皮脂がたまり、アクネ菌などの細菌が感染、増殖することでニキビができますが、細菌が感染・増殖した場合、私たちの体は細菌と戦います。これを「免疫」と言います。細菌と戦う主戦力は、白血球です。細菌と戦っている白血球を「白い膿」として見ているのです。細菌も混じっていることから、この膿は体の外へ排出すると、治りが早くなります。少量の膿であれば、放置していても自然に吸収されますが、多量の膿の場合、ニキビ自体が多量の膿に耐えられず破れてしまいます、これを自壊(じかい)と言います。自壊した場合を除いて、膿が貯まっているニキビを自分で潰して膿を出す事は、おすすめできません。皮膚科で処置をする場合は、消毒をして清潔な器具(針など)で処置を行います。私たちの手指や周りの環境には、想像以上に細菌があふれています。自分で処置を行う場合は、清潔な処置ができないことが多く、細菌感染がより増悪する可能性があります。化膿したニキビは、すでに強い炎症が生じており、自分で処置をする事で、さらに炎症が加わるとニキビ痕が残ってしまう可能性が高くなるでしょう。

化膿したニキビの正しい対処法

ニキビが化膿した場合、その原因ではあるアクネ菌に効果を示す抗生剤を使用することが必要です。抗生剤は塗り薬と飲み薬があります。化膿したニキビが多数ある場合は、飲み薬が必要になります。抗生剤は長期間飲み続けることはできませんが、急性期の炎症がおさまるまではしっかり服用する必要があります。飲み薬と同時に、塗り薬を併用することもあります。
それでは、ニキビに黄白色の膿が貯まってしまった場合、どのように対処すればよいでしょうか。大切なポイントは、「自分で無理やりつぶさない」ことです。先程も説明しましたが、すでに細菌の感染がある状態のニキビに、不潔な処置によりさらに炎症が加わると、ニキビは悪化します。必ず、医療機関での清潔な処置が必要です。ニキビが多量の膿に耐えられず破れてしまった場合(自壊(じかい)した場合)は、できるだけ清潔に保ち、抗生剤を塗りましょう。清潔に保つコツは、消毒をするのではなく、石鹸で1日2-3回しっかり洗うことです。水圧をかけてニキビの奥のほうまで洗うイメージを持ちましょう。

まとめ

赤く化膿したニキビは、アクネ菌などの細菌が感染・増殖した状態です。それらの細菌に効果を示す抗生物質の飲み薬や塗り薬による治療が必要です。赤く化膿したニキビは、それ自体ですでに炎症が強く、ニキビ痕の原因にもなります。しかし、不潔な状態での自己処置を行うと、さらに炎症が強くなり、ニキビが悪化する原因になります。白い膿を伴うような化膿したニキビが出現したら、医療機関へ相談して、適切な処置を受けましょう。

参考
日本皮膚科学会 尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016

皮膚科専門医

岡田里佳

2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。

資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

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カテゴリ: ニキビ

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