TMクリニック 西新宿 皮フ科・内科

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院長コラム

2017.12.29

まぶたや口唇が腫れる蕁麻疹(じんましん)ー血管浮腫と、遺伝性血管浮腫という病気について徹底解説ー

こんにちは。TMクリニック西新宿院長のおかだりかです。
まぶたや口唇が突然腫れる症状を経験したことはありませんか。まぶたが腫れると、視界が悪くなり、表情も変わるためとても不安になります。また口唇が腫れた場合、症状が強いと呼吸困難感を感じることもあります。これらの症状は、蕁麻疹の1種で血管浮腫と言います。蕁麻疹との違い、原因、治療方法について詳しく説明していきます。

まぶたや口唇が腫れる蕁麻疹(じんましん):血管浮腫について

蕁麻疹とどこが違うのか

まぶたや口唇が突然腫れるような症状を、血管浮腫(または血管性浮腫、クインケ浮腫)と言います。蕁麻疹は皮膚の浅い部分で生じる反応である一方、血管浮腫は皮膚の深い部位で起こる反応を言います。よって、赤みなどの皮膚の変化はなく、かゆみも伴わないことが多く、単なる「腫れ(浮腫)」の症状だけが現れます。蕁麻疹は数時間でよくなることが多いですが、血管浮腫は改善までに2、3日かかることがあります。また、皮膚だけではなく粘膜の浮腫も生じることもあります。口腔内や気道の粘膜が腫れた場合、呼吸困難感を感じたり、強い気道浮腫が生じた場合、窒息する危険性もあります。
このように、血管浮腫は皮膚の深い部分で生じる蕁麻疹の1種と考えることもできますが、異なる特徴もあるため、別途で扱うこともあります。

血管浮腫の原因は

血管浮腫の原因は、蕁麻疹と同様に特定できないことが多くあります(特発性の血管浮腫)。特発性の蕁麻疹は、毎日出現することが多いですが、特発性の血管浮腫は、数日間隔で生じることが多いとされています。また、薬剤によって誘発されることもあり、特に降圧剤であるACE阻害剤(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)や、ARB(アンジオテンシンII 受容体拮抗薬)が原因となることが多いです。新しい降圧剤を飲み始めてから、まぶたや口唇が腫れるようになった場合は、内服薬を見直す必要があります。

血管浮腫に特徴的な原因として、C1-INH(C1-inhibitor:補体第1成分阻害因子)の機能不全があります。C1-INHと言う血液中の1つの成分の機能が低下していることにより、血管浮腫が生じます。これには、先天性のものと後天性のものがあります。採血を行うことで、診断は可能なので、まぶたや口唇の腫れを繰り返すような場合は、しっかり検査することが必要です。

参考
遺伝性血管性浮腫(HAE)のガイドライン 改訂2014年版

まぶたや口唇が腫れた時の治療方法

まぶたや口唇が腫れる血管浮腫の治療は、大きく2つに分けられます。先ほど説明したC1-INHが低下している場合とそうでない場合です。まず、C1-INHが関与しない血管浮腫の治療は、基本的には蕁麻疹の治療と同じで、まず抗ヒスタミン剤が開始されます。蕁麻疹と異なり、症状の改善までには時間を要することがあります。数日で治療の効果を判断せず、数週間の経過を見る必要があります。補助的な薬として、血管浮腫には特にトラネキサム酸が有効とされています。口腔内や気道の浮腫を伴うような強い症状の場合、ステロイドの全身投与や、エピネフリンの投与が必要な場合もあります。

C1-INHが関与している場合、抗ヒスタミン薬が無効な場合が多いです。血管浮腫の原因として、血液検査でC1-INHの機能不全が関与していることがわかった場合、症状が出現した時には、C1-INH製剤(ベリナートP)の投与を行うことで症状が改善します。発作が頻回に起こる場合は、トラネキサム酸を予防的に服用する場合もあります。

まとめ

まぶたや口唇が突然腫れる「血管浮腫」の症状、原因、治療方法について説明しました。蕁麻疹の1種と考えられますが、異なる特徴も多くあります。また、粘膜に浮腫が及んだ場合、呼吸困難感が出現する場合がありますので、症状が出現した場合は、自己判断で治療をせずに、専門医に相談して原因検索や治療を行っていきましょう。

皮膚科専門医

岡田里佳

2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。

資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

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カテゴリ: 蕁麻疹

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