TMクリニック 西新宿 皮フ科・内科

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院長コラム

2018.01.13

皮膚科専門医が教えるアトピー性皮膚炎に効果がある飲み薬、推奨されるサプリメントについて

こんにちは。TMクリニック西新宿院長おかだりかです。
アトピー性皮膚炎の治療のため、飲み薬(内服薬)を飲んでいる方も多いと思います。それでは、その飲み薬がどのような効果を発揮しているか知っていますか。アトピー性皮膚炎に有効な内服薬はいくつかありますが、その効果や副作用はさまざまです。ここでは、アトピー性皮膚炎に有効な内服薬について、どのような効果があるのか、副作用にはどんなものがあるのか、など詳しく説明していきます。

アトピー性皮膚炎によく使われる内服薬ー効果と副作用についてー

アトピー性皮膚炎の治療では、よく使われる薬がいくつかあります。ここでは、日本皮膚科学会が策定したガイドラインに基づいて、説明していきましょう。

①抗ヒスタミン剤(抗アレルギー剤)

アトピー性皮膚炎のかゆみに対して、最もよく使われる薬です。ヒスタミンを抑えることによって、かゆみなどのアレルギー症状を抑制する目的で使われ、抗アレルギー剤とも呼ばれます。この薬は、じんましんやアレルギー性鼻炎にもよく使われますが、それらに比べてアトピー性皮膚炎のかゆみには、効果が乏しいと言われています(じんましんと抗ヒスタミン剤についてはこのコラムを参照してください)。抗ヒスタミン剤の効果がよく出る人と、あまり出ない人がいます。よって、アトピー性皮膚炎の治療の基本である「ステロイドの塗り薬」が、かゆみに対しても最も有効と考えた方がいいでしょう。抗ヒスタミン剤は、よく使われる飲み薬でありながら、塗り薬に対しての補助的な役割を担っていると考えましょう。
一部の抗ヒスタミン剤(アレグラ、アレジオンなど)は市販されており、市販薬と医師から処方される薬は同一の成分です。しかし、それら市販薬の効果効能はアレルギー性鼻炎のみになっています。アトピー性皮膚炎は長期的な管理が必要な疾患であり、主治医の診察の上、抗ヒスタミン剤を処方してもらう必要があります。

②シクロスポリン

シクロスポリンは、もともと臓器移植後の拒絶反応を抑える目的で使用されている免疫抑制剤です。しかし、通常の治療では改善しないような重症のアトピー性皮膚炎の患者さんに効果があることが欧米で報告され、本邦でも2008年に通常の治療では十分な効果が得られないような、重症の成人患者さんに使用できるようになりました。
「通常の治療で十分な効果が得られない重症な患者」の具体的な症状として、強い炎症所見を伴う皮疹が体表面積の 30%以上あったり、体全体に赤みがあったり、顔に難治性の皮疹がある患者さんが適応になります。
この薬の特徴として、飲んだら速やかにかゆみが消失することが挙げられます。塗り薬や抗ヒスタミン剤を使用しても改善しなかったかゆみが消失することによって、患者さんの生活や睡眠の質が向上することにつながります。
強い作用を持つ一方で、副作用もあります。飲む量は体重によって決められており、服用できる期間も8〜12週までと決められています。腎臓に影響を及ぼしたり、血圧が上がってしまうこともあります。服用している間は、定期的に皮膚科に通院し、場合によっては採血検査や血圧測定を行う必要があります。また、免疫を抑えてしまうことから、風邪などの感染症にも注意する必要があります。皮疹やかゆみの症状が軽快したら、すぐにこれまでの治療に切り替えることが大切です。

③ステロイド

ここでのステロイドとは、飲み薬としてのステロイドを指します。アトピー性皮膚炎の治療の基本は、ステロイドの塗り薬ですが、そのステロイドを服用する治療もあります。効果は得られると考えますが、アトピー性皮膚炎の治療は長期に渡ります。ステロイドを長期間服用すると、様々な副作用が生じる可能性が高いです。副作用とは、感染症、骨粗しょう症、糖尿病、不眠症などです。よって、急に悪くなった時など一時的に服用することはあるかもしれませんが、長期的な管理薬としての使用は決して推奨されません。

④漢方薬

アトピー性皮膚炎に対する漢方薬の有効性については、いくつかの報告があります。
ガイドラインに記載のある漢方薬は、「消風散(しょうふうさん)」と「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」です。ステロイドの塗り薬と併用することで、併用しない群に比べて、皮疹が改善したという報告があります。
補中益気湯は、「疲れやすい」「体がだるい」「根気が続かない」などの症状がある方に有用であり、そのような症状に当てはまる方は、併用を検討してみてもいいでしょう。
しかし、アトピー性皮膚炎に対する漢方薬の明確な医学的根拠については、今後も検討していく必要があります。

サプリメントって効果があるの?—乳酸菌飲料L92を中心にー

プロバイオティクス(Probiotics)とは、人体に良い影響を与える微生物(善玉菌)を含む製品、食品のことと定義されています。それを食品やサプリメントを通してじ十分な量を摂取した時に、腸内細菌が変化することで、体に良い影響を与えることがあります。
アトピー性皮膚炎に関するプロバイオティクスは、2001年に研究報告が発表され注目を集めるようになりました。特に、乳幼児のアトピー性皮膚炎の予防や症状の改善に効果があったとする報告があります。 現在、日本でもL92の乳酸菌が入った乳酸菌飲料やサプリメントが発売されており、アトピー性皮膚炎に限らず花粉症などのアレルギー疾患の症状の改善が認められています。しかし、その効果の現れ方は、人によって様々です。また、サプリメントや食品はステロイドの塗り薬などの治療の補助的な役割を持つ、と考えることが大切です。

参考
Probiotics in primary prevention of atopic disease: a randomised placebo-controlled trial.Lancet 2001;357(9262):1076-9.

まとめ

アトピー性皮膚炎の治療の中心は、ステロイドの塗り薬ですが、かゆみを抑えるために抗ヒスタミン剤を飲むことが多くあります。しかし、その効果の現れ方は人それぞれです。また、通常の治療で症状が改善しない重症の方は、シクロスポリンという免疫抑制剤を使うこともあります。補助的な役割として、漢方薬やサプリメント(L92乳酸菌)があります。アトピー性皮膚炎に対する内服薬やサプリメントは、塗り薬と併用して行う治療と考えることが大切でしょう。

皮膚科専門医

岡田里佳

2008年名古屋市立大学医学部卒業。 内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。その後大学病院に戻り、急性期・慢性期の皮膚疾患を幅広く経験した。

資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本内科学会認定内科医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

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カテゴリ: アトピー性皮膚炎

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